真空装置とは

真空装置をわかりやすく説明致します。
物質には主に3つの状態があります 
固体・液体・気体 
低温から加熱していくと、初めは固体であった物が液体に変わり、やがては気体へと蒸発します。逆もしかりで蒸気を冷却していくと液体になりやがて固体となります。

例えば真空蒸着装置ではこの現象を利用します。膜として付けたい金属や絶縁物などの固体物を真空の中で加熱して気化させます。それを基板の上で冷却・凝縮させて薄膜を形成します。これが真空蒸着法です。原理は非常に明白で綺麗な真空状態の中で加熱して、綺麗な基板を加熱しながら分子を積み重ねる。すると、良質な膜を作ることができます。

真空装置とは、このように【通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間】を人工的に作り出し、私達が生活している大気圧では到底出来ないような仕事を可能にする空間を生み出す装置なのです。

真空状態とは

空気には主に窒素(78%)、酸素(21%)、アルゴン(1%)などから構成されています。また微量ですが、二酸化炭素や水蒸気、排気ガスなども空気中には僅かながら含まれています。
真空とは、大気より圧力が低い状態を指します。わかりやすく言えば、低圧、減圧と捉えることもあります。(しかし、富士山の頂上付近で酸素が薄い状態を真空とはいいません) 
真空状態というのは、全く何もない状態ではなく、大気中の物質がある程度残っている低圧状態のことを指します。つまり、人間が真空ポンプなどで人工的に作り出した状態のことを真空状態と指します。 

なにゆえ真空状態にするかというと、ひとつ例を挙げると、沸点を変化させることが出来るのです。
アルミニウムの沸点は大気圧では約2450℃です。 
しかし、これが真空状態での沸点は約900℃まで減少することができます。
他にも利点は沢山ありますが、上手く真空状態を利用することで様々な製品が作られているのです。